私の花図鑑   花の里日記
   2005.11.28  69

                 月曜日   初冬の山

 この頃奥の山では毎朝、霜や朝霧が降りている。
木々は葉を落としてしまい、色を失って山は無彩色となってしまった。
これで雪が積もればまるで銀世界である。
道には枯れ葉が北風に吹かれてカラカラと音をたてて転がっていく。
吹き溜まりには枯れ落葉が積み重ねて、わだかまっていた。

 こんな寒い山を北風に追い立てられるように、今日は海岸の山に来ている。
ここはまだ太陽が暖かくてのびのび歩いていられる。
黄色い薬師草や白嫁菜、青い立浪草が山道沿いに咲き残したように咲いている。
常緑の葉の色も明るい椿も枝先に紅の花をつけて、小鳥がさえずり
ここはまるで春のようだ。
木々の枝越しには青い海と青い空、白い雲が拡がって見える。
暑い夏にはゆっくり歩いていられない道なのに今は心地良い。
そぞろ歩きしていると、どこからか甘い香りが漂って来る。
苗代グミが咲いているのかなと思いながらさらに歩いていると
また風に乗って香ってきた。
あたりをゆっくり見回して見ると、そこには白い花があつた。
それはひいらぎだ。
控えめな花で葉の脇に隠れるように小さな花を沢山つけている。
この花の香りは優雅で特徴がある。
またもう一つの特徴はこの花が咲く頃雪虫が飛ぶ事である。
最近、北海道の人から良くメールをもらう。
それには雪虫のHPへのリンクをしましたと書いてある。
その人たちは最近の流行か、たいていブログである。
ぴんとこない人もあるかも知れないがこれは日記帳みたいなものである。
そういうわけで雪虫は南から北まで生息している事がはっきり確認
出来てしまった。

 話がそれてしまったが、このヒイラギの花の香りをきいただけでとても
豊かな気分になってしまった。
私もだんだん自然人になってしまったのかなと思ってしまう。




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