私の花図鑑          花の里日記  2016.5.19   290


           木曜日  (晴れ)   沢蟹

 今日も五月晴れ。
今日は県北にある売り別荘の手入れに行った。
前回行ったのは二日前で敷地に生えていた若い草を刈り取り一応は綺麗にしていた。
前回も快晴だったが今日も良く晴れて、行く途中の道は気温も丁度良くて太田川沿いの国道を走るのも快適。
川の水は緩やかだが川巾一杯に堂々と流れている。
数日前の大雨のせいだろうが植物には恵みの雨。
また始まった稲の栽培にもおおいなる恵みであろう。
途中田舎には珍しいけどスーパーがあり昼食の弁当を買った。
そこのお客は中年以上が多い。
昼食を仕入れまた道を行くと二つ大きなダム湖(温井ダムと大泊ダム)があり水を悠々と溜めている。
電力の発電も梅雨が待っていてピークであろう。
ここはダムが二つもある位なので落差は大きい。
国道はそこをトンネルで貫いて島根県へ向かっている。
周りの木々は青々としていてもう濃い緑。
木の花は少なくて木の成長の盛りである。
けれど二つ目のダム湖を過ぎる頃から、木の色が柔らかい黄緑色に変わり一度に明るくなり見事である。
やがて県北の里山につくと、稲を植えられて満々と水を張られた田園や先程の黄緑色の山との配色が素晴らしい。
また田畑の畔や土手、民家の庭、また山際の縁に咲いたオレンジ色のレンゲツツジが満開である。

        土手のレンゲツツジ


山の川際を通ると岸ツツジのピンク色の花も見られる。

       田の畔に植えられた岸ツツジ     花の咲く前に草刈りがされている


なんでもない普通の里山ではあるがやはり自然は保護していると綺麗なものではある。
耕作を放棄した田では黒い和牛が2頭ゆっくり若草を食(は)んでいた。
柵はないのだが全然気にはならないほどのんびりしている。
また山沿いの耕作放棄して数年たったような場所にはさわおぐるま(丘小車)が群れて浅い黄色の花を咲かせている。
その中には同じ黄色のきんぽうげの花もまじって咲いている。
やはり若々しい育ちざかりの植物は見ていて気持ちが良くなる。
秋に気持ちがなにか淋しくなるのとはまるで反対。
田舎の家は空家も目立つ。
でも中には老人ホーム関係の新しい施設があり車が沢山駐車していてり中に見える人も多く活気がある。
そんな里山を抜けてようやく目的の別荘についた。
ここも周りは緑一杯で美しい。
そばに渓流があり心地よい水音がする。
前回の草刈りに続き敷地の清掃をしていて面白い木を見つけた。
それは深山桜で樹高は3m程度。
白い花を一杯につけていて葉も展開している。
この木は高山に生えるのでさすがにここが県北の高地であると実感した。
もしやと思い敷地の隅の杉と檜の林(15本程度であろうか)の下を探してみると、やはりレンゲツツジの小さな株が結構残っていた。
人が杉を植えても強いもので生き残っている。
花はつけていなかったが大事に育てると美しい花が咲きそうだと思った。
やはりその地に繁殖している花は大事にしてやると素晴らしいものである。
ここの敷地には千本槍 (せんぼんやり)が雑草化して生えていて面白い。
私の好きな花である。
野草園に持って帰らないといけないと思った。
夏椿も沢山生えていてこれも掘って帰らないといけないのだが。

 そうそう。
昨日は吉和の山の別荘地の整備に行き、帰りに側溝の中に溜まった腐葉土をバケツに2杯ほど車に積んで持ち帰った。
庭の土の改良にと思ったのだが。
今朝車で出発する時、ふと助手席の下を見るとなにやらゴミみたいな灰褐色のものが動く感じ。
手に取ってみるとそれは不思議。
沢蟹であった。
腐葉土と一緒に持ち帰っていてバケツを出て車の内部の下を出口を探して歩き回ったものであろう。
あまり元気は無かった。
さっそくその沢蟹を事務所の傍の綺麗な側溝の中に投げ入れてやった。
彼は水の底にぶくぶくと消えて行ったのである。


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