私の花図鑑          花の里日記  2018.6.7   358


              木曜日  (曇りのち晴れ)  野鳥の事

 4日前の日曜日は久しぶりに山陰の中海と大山、蒜山を走って来た。
丁度天気は良くて観光の車も多く蒜山は沢山の人で賑わっていた。
中海は南側の沿岸を今まで見ていなかったので行ってみたのだ。
中海の北側には境港(さかいみなと)があり、ゲゲゲの鬼太郎で有名な水木しげるの記念館もある。
そちらは何回か走っていたのだが今回はようやく南側である。
そこは安来市で昔なんとなく安来節(どじょうすくい踊り)はテレビで見ていた。
私は今まで安来市は日本海に直接面した場所かなと思っていたのだがそれは中海であった。
そこは農地が広々していて水路(堀?)が沢山ある。
沖の中海を眺めると今、カモ類が繁殖に北に帰っていて海鵜(ウミウ)位しか見えない。
水路は広くて流れもほとんど無い。
その広い水路の入り江で小さな舟が三隻ほど漁をしていた。
エンジンは使わず手漕ぎなのでなかなか風情があった。
農地は広くて農家は少なく人もあまり見えなくて、のんびりしている。
そこをゆっくり走っていて水路の縁で突然大きな白鳥に出くわしてビックリ。
まさか白鳥がまだいるとは思ってもみなかった。
目前にいるととても大きい。
少し体の色が白でなく黄色味がかかっている。
他にもう一羽目撃した。
あとで考えるとこの白鳥たちはここに残って繁殖活動しているのか?
それとも羽を痛めて長く飛べなくなり、ここに居残っていたのかなと考えた。
そう言えば鴨でもたまに南の地の河原に居残り繁殖するのを見た事がある。

 それから少し東に走り、着いた岬から眺めると左の奥に米子市が遠く見える。
手前の右奥には十神山 なぎさ公園があり小山があって中海もなかなか美しかった。
海には小島も浮かんでいてなにか宍道湖に似ていた。

    みさき公園から中海の東を写す グーグルマップの位置図



 それから米子市を通過して米子自動車道に乗り、溝口インターで降りて大山の南麓に向かった。
桝水高原に着く前に道路沿いに、白い蛾が道の両側の緑の木々の間を乱舞していて美しい。
私はいつも山の別荘地に行っているのだがこんな現象は見た事がまるでなかったのだ。
道に落ちた蛾の死体と写した写真で名前を調べてみたらキアシドクガと言う蛾であった。
毒蛾の仲間なのだが毒は無いらしい。
私が死体の羽に触れてもなにも感じなかったのだ。
彼らは水木熊野水木エゴの木の葉を食べるとある。
乱舞する写真を撮ったのだが光の白と混じってうまく写せなかった。
残念。
それから大山環状道路を蒜山へと東に走って行った。
私は野草を見たかったのだが、野草はまるで無くて木の花が沢山であった。
山登りをすれば野草に出会えるのだろうけど林の中を走るのでやむを得ない。
木の花は昔の白い花の咲く頃の歌ではないが白い花が多い。
けれどピンクの谷空木があちこち見られて楽しかった。

     環状道路と谷空木



それから賑わう蒜山に回り特産のソフトクリームを食べて、湯原温泉郷で入浴して帰った。
経由した岡山の奥の里山はゆったり広くてなかなかのんびりした感じがした。
帰りに新見市の鯉が窪湿原を見たかったのだが夕方で無理であった。

 今日は気分を変えようと山口の周防大島にゆっくりと出かけてみた。
しばらくあちらには行ってないし、丘の上の茂みの草刈りが気になったのである。
気温は23度位で窓を開けて走っていても爽やかである。
空の雲も多くてそれほど強く太陽光線があたらないので景色も見やすい。
のんびりと現地に昼頃に着いた。
行く道沿いでは沢山と熊野水木が白く咲いている。
もう夏も近い。
野草ではホタルブクロの白い花が梅雨らしく咲いていた。
海を見ながら昼食をし作業着に着かえて草刈り機を手に丘に上がった。
丘の頂上の奥の部分だけを刈り残していたのだ。
ここはワラビが多くて山菜の栽培に丁度良いかなと思っていたのだが凄く茂っていた。
そこにはワラビの他にクズの蔓も入り込んで他の蔓たちも込み合って茂り歩けもしない。
おまけに野いばらの蔓までもが伸びていた。
そんな事なので私は草刈り機でその茂みに突入した。
そこは蔓と野いばらが込み合って大変。
草刈り機を振り回して彼らを退治していた。
一時間位かかったのであろうか。
ようやくそこを突き抜けて奥の綺麗に伐採していた部分まで達したのだ。
やはり春に一度刈込していれば楽であったかなと思った。
なかなか草原の管理も手がかかるものではある。
丘の上は色々野鳥が鳴き鶯が一番賑やかであった。
鶯の巣はまだ刈り残しの、この茂みの一番奥にあるのかなと思っている。
草臥れたので下まで降りて休み、道路のそばの部分の伸びた草をコードで綺麗に刈っていた。
それも済み休んでいると、近くの電線に鳶(トビ)が止まってこちらを見ている。
私はピーヒョロロと鳶の鳴くまねをしてみせた。
鳶はそれでもこちらを見て鳴きもせずだまって眺めている。
それで私は車の中の弁当の残りの鶏のからあげを彼のほうに投げてみた。
これは時々カラスにそうしていたのだ。
鳶はすばやく目にも留まらぬ速さで、投げた餌を嘴か足で空中で掴み海のほうへ消えていった。
少しするとまた電線に帰って留まりこちらを眺めている。
私はまたピーヒョロロと鳶の鳴くまねをする。
それでも彼は鳴きもしないのだ。
根負けして私は2回目の餌の魚のフライを投げてみた。
また素早く空中で餌を掴みまた海へ飛んで消えて行った。
それからまた彼は帰って来た。
もう弁当の残りは無くなっている。
ションガナイので柔らかな甘い洋菓子を探し、もしやと思い今度は真下まで行き地面に置いてみた。
今度も同じように取ってまた海へ。
それからまた電線に帰って来た。
まさか菓子まで食べるとは思いもしなかったのだ。
私は根負けしてそれではさらばと作業の荷物を車に積み込み、電線の鳶を残して帰ったのだった。
これで鳶は餌をとってもそこでは食べず、安全な場所まで運んで食べるのを知ったのだった。
鳶は海辺で釣り人が来て余りの餌(吊った魚や弁当の残りも)を与えられ学習していたのだ。

 そうそう。
思い出した事がありそれはここの斜面地に犬枇杷(いぬびわ)が沢山生えている。
梅雨頃には食べられるかなと思っていたのだがその時に、国道の歩道に黒い実が沢山落ちている。
歩道はこの実で一面黒くなっていた。
野鳥も食べていないのだ。
私がその、なっている実を取って調べてみると径は1cm位のオスの木の実で黒くて固く、まるで食べられないものだった。
メスの木の実なら大きくて径も2cmはあり柔らかくて美味しい。
この大島には犬枇杷のオスの木の林が多い。
植物にも強い地域性があると思った。


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