私の花図鑑          花の里日記  2018.8.20   368


              月曜日  (晴れ)  見知らぬ花

 今日も暑い。
盆もあけたので少しは仕事をしないと思い山口の周防大島にでかけた。
行く道は田舎道を選んで景色を見ながら走っていた。
今は夏の花が盛りである。
この暑さにも負けないでさすがではある。
庭木の花で目立つのは百日紅(さるすべり)の濃ピンクの花で木一杯に花を付けている。
それと柱仕立てのノウゼンカズラがオレンジ色の花をこれも枝先に賑やかに咲いている。
道端にはコマツナギがピンクの小さな花をこんなに暑い中で枝一杯に咲かせている。
     
コマツナギ


それと高砂百合も今年の暑さが気にいったのかまるで亜熱帯みたいにこれも集団で咲いている。
    
タカサゴユリ


そんな花を見ながら本土を離れて周防大島に渡り、いつもと違う西回りの道を走った。
こちらは県道になっており走る車も少ない。
西の海の対面には本土の室津半島が伸びていて、はるか南の先には平郡島が見えるのだ。
この辺りは民家も少なく山が海にせまっていて自然が一杯である。
平日なのであろうか、泳ぐ人は見られずたまに港付近で魚釣りをする人がいるだけ。
海岸付近にはあまり花は咲いていなく、ただ仙人草のつるの茂みの花が白く輝いているだけ。
私は普段行かない小さな岬を見てみようと寄り道をして覗いて見た。
その道は途中に港付近で終り、先は軽車両が走るのみの小さな道しかなかった。
それで元の県道に抜けようと脇道に入って見た。
この道も先では細くなり抜けられなくなって後退しようと、ふと道傍を見ると
そのあたりに犬枇杷の木の集団が見え、黒くて丸い実が沢山なっていた。
その実は丸くて径が1.5cm位。
この大島では美味しい犬枇杷の実を食べた事がなかったので、あれでもと思い
黒い実を取って口に入れて見た。
するとその実は中が白く、食べると口の中で粘ってとろっとして甘い。
昔食べた子供の頃からいったい何年たっていただろうか。
10個位食べてようやく心が落ち着いて来た。
この辺りの人はこの実を食べないのであろう。
もったいないと思ったのだが私の口に入るのだからそれも良しだ。
   
イヌビワ


気分良く元の県道に戻り、東側の海沿いの道を同じ岬の先に向かって見た。
すると道沿いの崖に浜鉈豆(はまなたまめ)のピンク色の丸い花が沢山咲いていた。
何年振りに見るであろうか。
それは暑い夏に咲く可愛い花であった。
丁度その実が大きくなっていて美味しそう。
中には実が三つあるらしい。
ネットで調べると食べられない事は無いそうだが島の人に聞くと毒があると言っていた。
野菜みたいに実は沢山ならないので栽培もされないのだ。
   
ハマナタマメ


ここの岬は南向きで海の先には平郡島(主に漁業の島)が見える。
岬の先端を回り込み少し行くとピンク色の穂状の花を咲かせた野草が見える。
見た事が無い花だがなと思い車を止めて見てみた。
いくら考えても名前が浮かばない。
私は熱帯性の外来植物かとも思ったのだ。
それとも新種発見かな。
   
注:良く考えると花はツルボのようで他の野草の茎と一体になっていたようだ
他にはセリの仲間の白い花、牡丹防風が咲いていた。
周りには野路菊の群落があり元気に葉を茂らせていた。
さすがに海浜の植物は乾燥に強いと思った。

 のんびり夏の岬の景色を見ながらそれから目的地の家防(かぼ)に向かった。
ここは数日前に幼児の行方不明があった場所である。
今は静かな島の生活風景が戻っていた。


 日記前のページへ 日記次のページへ 日記の最初の目次ページへ 花図鑑ホーム