私の花図鑑    花の里日記   2002.1.27  bQ4
                 日曜日 (歳時記と春)


   1月も残り少なくなり太陽も光を増したように思われる。庭の白梅も蕾が膨らんできた。歳時記では1月20日が大寒、2月4日が立春、旧正月は2月12日。冬の寒気と春の陽がせめぎあっている。
 私の事務所のある地域ではとんど焼き(左義長・さぎちょう)がいまでも残っており竹で塔を作り子供たちが集まって燃やしている。最近は子供の数が少なくなっているので地域の合併もあるようだ。ついにここまで変革が迫っている。それにしてもこういった年中行事の伝統は残しておきたいものだ。我家でも1月7日に一応七草粥を作って食べている。この粥は食料のありがたみが良くわかって良い。味わって食べている。材料の七草は温室で栽培されたもので店で買ったものだ。太陽暦の1月7日では庭を見渡しても緑の草は芽生えていないし若菜摘む風情ではない。陰暦の正月7日(七草・人日)(2月19日)ではナズナやハコベが見られ少しでも採取出来る。陰暦では季節感を実感できる。歳時記は日本人の暮らしと密接にかかわっている。各地の七夕も陰暦で残っており、もう太陽暦の行事は廃止したほうが良いように思われる。その季節感と相違するからである。無理に太陽暦に合わせて取り入れようとしてもミスマッチだ。

 ホームページ管理ではこの時期は野山に花が咲いていないので、もっぱら暖かい所で出来るような作業をしている。海岸付近の登山地図作りなどだ。いざ作ってみると写真がない。日頃の不精がたたっている。

 私の古い友人にやまめの養殖の仕事をしている者がいる。彼から薪の暖炉の設置を頼まれたので会う機会が出来た。彼の養殖場は広くルアー釣も出来るようになっている。そこで午後3時ごろだが突然かん高いピーピーという大きな声がするので彼に聞いてみるとミサゴだという。高い木のテッペンで止っている鳥を見ると頭が白くて鷹に似ている。図鑑で見るだけだったけど、やっと本物を見た。海岸の断崖に住んでいると記憶していてびっくりした。彼らには養殖場も自然の池も区別がつかない。こんな人家の近い養殖場まで飛んでくる。この事は自然の恵みが痩せて来ている証拠だと思う。川や海が開発で汚染されて浜や藻場や干潟が埋め立られている。いまだに土木工事をして利権争いをしている。残念な事だ。この事では田中長野県知事の脱ダム宣言は重要だ。なさけない国に頼らず独力で成し遂げようとしている。おおいに彼の先進性に期待したい。今森をリストラで余った労働力で整備し、自然の富裕な水をダムに貯めずに自然の川に戻してやる。川を豊かにして魚や水生昆虫を殖やし海に出してやる。海では砂や藻場で浄化して魚や鳥や貝類を繁殖させる。こうして漁民を豊かにして、ひいては美味しい魚介類を私たちが分けてもらい食べられる。この自然のサイクルを自然大好きな皆の力で取り戻したい。

  
波こえぬ 契りありてや みさごの巣   芭蕉作の奥の細道 象潟より

みさごと聞くと渥美半島の伊良湖崎を連想する。歌枕や椰子の実の歌があるからだろう。鷹が渡りをする為にこの地に来ると言う。まだ私は行った事がない地だ。

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