野薔薇によせる詩  2003・9・6    私の花図鑑へ戻る

初夏の高原にさわやかな風が吹けば
野辺の白薔薇が香りにあふれて
一斉に開花してゆく
曲がりくねった起伏の緩やかな道をたどり
暖かな草の丘に座る
太陽の柔らかな光を浴び
あたり一面の透けて見える白い花に囲まれる
虫たちの飛び交う羽音や
郭公の遠ざかる鳴き声にも眠気を誘われる
パステル色の青空の中に
一筋の白い雲が中空にわいてくると
南の町をめざして静かに流れてゆく
 ゆっくりと時が流れて
ゆっくりと愛の記憶が刻まれてゆく


北原白秋の野茨に鳩の詩








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