西行 平安末期から鎌倉初期の歌人で俗名は佐藤義清(のりきよ)
   歌集に山家集、聞書集、聞書残集がある
   旅の歌が多い 1118〜1190

    上田秋成の小説
 雨月物語の白峰の巻頭に、西行の諸国行脚の様子が見事に描写されている

あふ坂の関守にゆるされてより、秋こし山の黄葉(もみじ)見過しがたく、浜千鳥の跡ふみつくる鳴海(なるみ)がた、不尽(ふじ)の高嶺の煙、浮嶋がはら、清見が関、大磯小いその浦々。むらさき艶(にほ)ふ武蔵野の原、塩竃(しおがま)の和(なぎ)たる朝げしき、象潟(きさがた)の蜑(あま)が苫(とま)や、佐野の舟梁(ふなはし)、木曾の殘橋(かけはし)、心のとどまるかたぞなきに、猶西の国の歌枕見まほしとて、仁安三年の秋は、葦がちる難波を経て・・・・・
   美しい日本の情景がえがれていて好きだ

西行がしばらく住んだ吉野の奥千本付近は山が険しく谷が深い
杉木立も森閑としていて寂しくなる  だから人恋しい句が多くある
  下は吉野奥千本の西行庵  近くの金峰神社 付近の地図

  水の音は さびしき庵の 友なれや 
    峰のあらしの  たえまたえまに 西行 




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