私の花図鑑    花の里日記   2003.7.3 39

           木曜日  雨の中  (虫の嫌いな方はこのページをパスして下さい)


 今日も雨が降っている。雨の神様は降らす事に熱中してきたようだ。やんだと思ったらその日の夜には雨音がしてくる。うっとおしい気持ちがするが、しかし考えようによれば恵みの雨だ。この雨により夏の長い日照りにも山から清水が湧き出してくれて、私たちを干害から守ってくれる。

 この降りしきる雨の中、庭の奥を見やると何かが、さざなみのように乱舞している。よく見てみると金茶色の蛾と黒茶色の蛾である。見ているとおもしろいのであるが、さては6月に椿に大発生した茶毒蛾の幼虫が、いつのまにか蛾に変態しているのだ。蛹(さなぎ)の様子がまるでわからなかった。この蛾に、たくさん付いている毒の鱗粉は雨よけにもなっているのだ。進化の妙には感心する。交尾をした茶毒蛾がいたので観察すると、金茶色の雌が大きく、黒茶色の雄は小さくて2/3の大きさだ。羽の模様などは似ているが飛び回っていると別の種類とまちがう。葉の裏に産み付けられる卵嚢(らんのう)も雌と同じ金茶色をしている。

 私は6月中、この幼虫退治に奮戦したのであるが、毒蛾の粉の中で完全に敗退してしまった。
敵はさるもの、かゆいもの。自然には負けるのである。広島市の西部で茶毒蛾大発生の新聞記事が出たが、今なんだか気が引けている。

 自然林ではこのように大発生はしないのであるが、人口的な環境ではそうもいかない。庭木を守る為には薬剤散布を必要としてくる。残念な事ではあるがこの高く成長した椿やさざんかも、手入れの出来る高さに切らなくてはいけない。  下の蛾は雌で長さ2センチ程度
  茶毒蛾のページ



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